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ネット版アニメレポートは、映産労(映像文化関連産業労働組合)アニメ対策委員会の公式ページです。 1975年に、映産労から不定期のアニメれぽーと(B5版冊子)がはじめて発行されました。 制作現場の実態を、だれにもわかりやすく伝え、改善の手立てにする目的で、発行は80年代の半ばまで続いたのですが、その後編集体制を維持できず、休刊となっていました。 今回、ネット版としてアニメレポートを復刊させることにしました。 アニメの仕事は1年中厳しいスケジュールに追われたままの状態なので、編集会議などあまり開けませんが、全国に点在した組合員が、自宅からそれぞれ記事を投稿しています。 ☆映産労連絡先: mall: eisanro@gmail.com fax : 08年12月まで 03-3999-4329 09年1月から 03-6915-9282 (アニメ活動センター内) ★掲載している内容の、無断転載をお断りいたします。 ★出会い系サイトや成人向けHPへの誘導など、マナー違反の書き込みが多いのでコメントやトラックバック機能はしばらくお休みします。 ★リンク ●アニメーションミュージアムの会公式ホームページ ●NPOアニメーションミュージアムの会公式ブログ ●アニメーション演出家・有原誠治さんのブログ・アリのつぶやき ●映画演劇アニメーションユニオン ※全国に点在する映産労の組合員の皆さん、ぜひネット版アニメレポートの運営にご協力ください。 カテゴリ
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ご質問について
3月30日のコメントに「ハイジのヒットがきっかけで番組数が増えたというよりは、虫プロの倒産、東映動画の組織改変などで業界がはっきりと分業システム化されたゆえの作品数増加だと思うのですが、どうでしょうか」との質問がありました。 ごもっともな質問だと思います。 ![]() 作品の増減が何によるものなのか、これまで明白な根拠といえるものはありません。しかし、具体的なデーターを積み上げて、さまざまな角度から探ることで、見えてくるものがあります。 スポンサーの経済事情が反映 たとえば、今年1月9日付けで「新番組数の上下に経済動向が反映」との見出しで、アニメの新番組の登場数を年度ごとに並べて、社会の景気変動と照らし、景気の悪化が番組減に大きな影響を与えているようすを図表で紹介しました。つまり、番組増には経済的事情が、特にスポンサー側の事情が大きく影響するということができます。 一般的に、アニメ番組に限らず“大ヒット番組が生まれると同種の番組が増える傾向がある”ということがいえます。事実、「ハイジ」のヒットで、75年より「アンデスの少年ペペロ」「一休さん」「草原の少女ローラ」「ガンバの冒険」「みつばちマーヤの冒険」など、原作をマンガに頼らず児童文学や昔話やメルヘンものが増えました。 脱、雑誌マンガ路線一辺倒 もう少し探るとこんなことがいえます。「アトム」でテレビアニメがはじまって以来、人気マンガを原作としてテレビアニメは生きてきました。ところが、それから十年。毎年々、人気マンガを次々とアニメ化してきたことで人気マンガが枯渇し、スポ根もの番組の人気も今ひとつ。スポンサーたちにとって、投資しただけの経済効果をアニメに期待できなくなりました。また、視聴者からも「マンガに頼らず、昔話や児童文学をアニメ化すべきだ」との声があがるようになりました。そんなことを背景に、71年に「アンデルセン物語」72年に「樫の木モック」73年に「山ねずみロッキーチャック」「冒険コロボックル」などが登場するようになり、「良質な番組」と歓迎されますが、人気の点ではいま一つでした。そんな時に「アルプスの少女ハイジ」が大ヒット。スポンサーのカルピスが大売れし、乳幼児に虫歯が増加するほどの“経済効果”を上げました。そのことにより“文学もの”でもヒット作品が産まれる”ということが証明され、75年の名作、昔話路線増、アニメ番組雑につながったのだとのいえます。 無計画的な業界 コメント投稿者が指摘している「アニメ業界が分業システム(合理化)化されたゆえの増加」ではないかとの件は、一見合理的な考え方のようですが、現実にはありえないと思います。具体的事例がないというだけでなく、放送局や広告代理店などがアニメ業界の実態を調査して、妥当な数だけ番組増に踏み込むほど計画的だとは残念ながらいえません。彼らが関心あるのは、「なにが当たるか?」ということだけ。当たると見れば、闇夜に鉄砲を撃つごとくの濫作です。でなければ、白味線撮りが蔓延するという現在の状態は生まれなかったでしょう。 実態は、高度経済成長を背景に豊かになった子どもたちの懐(お小遣い)をねらっての番組増の中で、業界側が量産システムへの変更(下請け合理化)を余儀なくされたというのが実態だと思います。 この名作もの路線増について、75年夏発行のアニメれぽーと1号が面白い記事を掲載しています。次回紹介します。(A)
生命を奪う労働強化
1975年当時の人手不足の深刻さは、アニメーションの制作スタッフに厳しい労働を強いることになります。そのすさまじい実態を75年11月発行の「アニメれぽーと6号」は、ミニ情報の中で「生命を奪う労働強化」「元請に都合の良い“不幸な体験”と“解決策”」「手土産がわりにボーナスを!」などの見出しで次のように紹介しています。(画像はクリックすると大きく表示されます)![]()
東映動画の人手不足解消策=下請合理化政策
テレビアニメ番組数増加の図 ![]() 74年、「アルプスの少女ハイジ」の大ヒットから、アニメの番組が急増してゆきます。 そのことが、アニメ業界に深刻な人手不足を生み出し、アニメーターや色を塗るペインターたちに腱鞘炎や頸肩腕症候群などの職業病を多発させ、その一方で、白味線撮りを増やしていきました。 東i映動画の人手不足解消策 75年、東映動画は人手不足解消策を労働組合に表明します。 その第一は、韓国発注をさらに強化すること。 第二は、アニメーターの養成は下請けで行わせること。 その第三は、関西でアニメーター志望を集めて下請けプロ化すること。 その四は、東映動画付近に動画専門の下請けプロをつくることでした。 東映動画・動画課の悲劇 そうしたすさまじい合理化の結果、東映動画動画部のスタッフは、63年に100名以上もいたのに、76年にはたった18名に減ってしまいました。そのうち、頸肩腕症候群などの労働災害で通院中のスタッフが3名。職場を去って、他のアニメプロに移ったのが66名でした。
下請合理化政策と主婦の内職 その5
社会問題化するインチキ内職 その2 前頁のつづきで、81年2月発行のアニメれぽーと14号に掲載された「社会問題化するインチキ内職」をご紹介します。 例によって、図はクリックすると拡大し読みやすくなります。 ★アニメれぽーと 1981年2月号17頁 ![]() ★アニメれぽーと 1981年2月号 18頁 ![]() これで、“下請合理化政策と主婦の内職”の項を終わります。
下請合理化政策と主婦の内職 その5
社会問題化するインチキ内職 その1 アニメ業界の最末端にある“仕上げ”の家内労働から、アニメ彩色通信教育の怪しげな一面を取り上げてきましたが、81年に労働省労働基準局家内労働室が公表した「いわゆる『インチキ内職』に関する事例集」について、81年2月発行のアニメれぽーと14号が“徹底レポート”をしています。 そのなかで、通信教育の添削講師をしていた方のインタビュー証言が、“インチキ振り”をみごとに裏付けていました。それを、コピーにしてそのまま紹介します。 一ページでは紹介し切れませんので、2回つづきとします。 例によって図は、クリックすると拡大し読みやすくなります。 ★アニメれぽーと 1981年2月号16頁 ![]() ★アニメれぽーと 1981年2月号17頁 ![]() (つづく)
下請合理化政策と主婦の内職 その4
いわゆる「インチキ内職」について ![]() 1981年(昭56)の11月に、労働省労働基準局家内労働室が「いわゆる『インチキ内職』に関する事例集」を発表しました。全国各地の労働基準局や消費者センターに寄せられた苦情の中から、悪質な事例を選んで紹介したものだが、その中にアニメーションに関する事例が2例紹介されていました。 それは、渋谷に事業所を置くYアニメーションとS開発養成センターの事例ですが、くわしくは画像をクリックし、画像を拡大しお読みください。 ![]() いかがですか。 その手口は、テレビアニメの人気を悪用し、高収入が得られると宣伝。全国から講習生を集め、入会金や講習費の他にさまざまな機材を売りつける。予定の講習期間を終えても「あなたは仕事を委託できる技量にいたってない」として指導期間を延長する。または、仕事らしきものを発注しては「仕上がりが悪い」といって労賃を支払わない。まさにサギまがいの悪質な商法です。 いまでもあるって本当ですか? それがアニメ業界の下請制度の最末端で起きていた現実だと思うと、怒りを通り越して哀しくなります。しかも、いまでも同様の通信教育があると聞いたのですが、みなさんご存知ですか? ご存知でしたら編集部(mall: eisannro@nifty.com FAX : 03-3999-4329)までお知らせください。 また、被害に遭われた方はその体験談をお知らせください。(つづく)
下請合理化政策と主婦の内職 その3
テレビ人気に便乗した“アニメ彩色通信教育” ところが、民話社倒産後も同様の通信教育は後を絶ちません。 ![]() 1981年頃の雑誌に、アニメ彩画の通信教育の広告がありました。広告主は、東宝動画社、代々木アニメーションなどです。また、新聞にも“サイドビジネスで金儲け”“アニメの彩色 技術もいらず月5万円は確実”などと記事の形で、スタジオ・ロビンや代々木アニメーションを紹介しています。記事の中で、「いま“子鹿物語”に取り組んでいる」とあるので、82年か83年ごろの新聞と思われます。 ![]() ここでも、「子鹿物語」「アルプスの少女ハイジ」や「鉄腕アトム」などの人気番組が宣伝に利用されています。キャラクターごと利用されているアトムなどは、そもそも使用許諾を得ていたかどうか疑わしい限りです。 テレビアニメの制作現場からすれば、こうした宣伝が無責任極まりないものだということはすぐわかります。が、一般の人々、それも地方にいる人ほど業界の実態を知らないためだまされることが多かったではないかと思います。 テレビで作られた幻想を利用して、現金収入になると宣伝し、全国から講習生を集め、機材を売りつけては仕事を保障しないこの商法、ついに“インチキ内職”として告発されます。(つづく)
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