下請合理化政策と主婦の内職 その3
テレビ人気に便乗した“アニメ彩色通信教育”
ところが、民話社倒産後も同様の通信教育は後を絶ちません。

1981年頃の雑誌に、アニメ彩画の通信教育の広告がありました。広告主は、東宝動画社、代々木アニメーションなどです。また、新聞にも“サイドビジネスで金儲け”“アニメの彩色 技術もいらず月5万円は確実”などと記事の形で、スタジオ・ロビンや代々木アニメーションを紹介しています。記事の中で、「いま“子鹿物語”に取り組んでいる」とあるので、82年か83年ごろの新聞と思われます。

ここでも、「子鹿物語」「アルプスの少女ハイジ」や「鉄腕アトム」などの人気番組が宣伝に利用されています。キャラクターごと利用されているアトムなどは、そもそも使用許諾を得ていたかどうか疑わしい限りです。
テレビアニメの制作現場からすれば、こうした宣伝が無責任極まりないものだということはすぐわかります。が、一般の人々、それも地方にいる人ほど業界の実態を知らないためだまされることが多かったではないかと思います。
テレビで作られた幻想を利用して、現金収入になると宣伝し、全国から講習生を集め、機材を売りつけては仕事を保障しないこの商法、ついに“インチキ内職”として告発されます。(つづく)