上記は喫茶店(※1)のコーヒー1杯と、テレビアニメの動画(※2)1枚単価(いずれも平均)の比較図です。
多少の幅はあるとしても、それでも、年々、喫茶店のコーヒー1杯と動画1枚の値段の差は大きくなるばかり。
これは動画だけの問題に留まりません。
ある下請会社の制作さんの初任給は見習い期間と称して6万円。30歳近くになって初めて11万に。365日24時間、ほとんど休めません。職場で倒れ救急車で運ばれたことも。
あるテレビアニメ(関東ローカル+CS)の監督の監督料は30分番組1話あたり「10万円」。同じく24時間365日ほとんど休めません。勿論、作品の二次使用料(ロイヤリティ)や、契約書などは皆無。現在、生活保護でも月12万円の金額がもらえます。
各会社のアニメーターの募集説明では「1年間は見習いとして無報酬を覚悟してください」「一人前にならない限りお金を受け取ってはならない。それが本当のプロ」「ただで仕事がおぼえられる。専門学校に行くよりずっとお得」「まともな生活はできません」というような旨の文章が記載されています。
さらにこれ以上消費税が上がったら、いったいどうやって生活すればよいのでしょうか。
1980年代、テレビ朝日系「ニュース・ステーション」では、最低ランクの仕事として「アニメーター」を紹介、全国に放送されました。
ある下請会社に、税務署がいきなり抜き打ち調査に入りました。しかし帳簿を見てあきれ果て、無言のまま帰っていきました。
現在、「夢」を売りに、多くのアニメや声優の学校が乱立していますが、いったいどれだけの人がまともな仕事にめぐり合えるのでしょうか。
多くの前途ある子供や若者の視聴者を前に、こういうシステムを作り上げた大人、そして長年こういう状況を放置してきた国の責任は重大です。
(※1)喫茶店…ここでいう喫茶店は、テレビアニメ放送時より存在する単独店舗型の喫茶店です。ドトール・コーヒーやスターバックスなどの、チェーン店ではありません。
(※2)動画…原画に沿って、キャラクターや小物の線を鉛筆等で描き、原画と原画の間に何枚もの絵を入れ動かす仕事です。実際に放送される最終的な線画にまとめあげる役職といえます。その線画は別のスタッフによって色を塗られ、背景が付けられます。完成したセル画は、膨大な数・膨大な用途に複製・売買・利用され利益を生みますが、動画や原画を担当するアニメーターには1銭も入ってこないどころか、会社が倒産や夜逃げ等で未払いのままになるケースもあります。ほとんどの会社が、タイムカードも雇用契約も業務委託契約書も存在しないので労働基準監督署も法律相談所でも取り扱ってくれません。
関連記事:
テレビアニメの動画1枚単価と喫茶店のコーヒーの関係