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その昔、「ドレイ工場」「あヽ野麦峠新緑編」「ノーマレイ」など、労働組合を題材にしたな映画が多数ありました。近年はそういう題材の映画はなかなかありません。
映産労の加盟する「全労連」では、労働組合を描いたビデオドラマをDVDで発売しました。それが「いまそこにあるユニオン」です。
ドラマはとてもしっかり、わかりやすく作られています。
最近は、いろいろな会社のトラブルが原因で、近所にある労働組合に相談に行くケースが多いと聞いていますが、この「今そこにあるユニオン」を見れば、労働組合は正社員でなくても入れる、アルバイト、派遣、契約、フリーランスなどでも入れるという事がわかると思います。
また、最近、若い人たちのサイトで、労働組合への質問に、「団交」への不安や疑問を書かれるケースをよく見かけますが、このドラマには最近の団交の様子が描かれているので参考になるかもしれません。
ドラマの中で、組合の委員長が、ケータイのメールで、主人公の女性に連絡を送ったり、「いまそこ」とか「背後霊」といった台詞など、現代特有で興味深いです。
また、近年の社会派映画やドラマで描かれる「若いカップル」は、だいたいが年輩の監督の方が描かれるためか、少し恥ずかしくなるような描写が多いのですが、このドラマの場合は自然に描かれています。
「男はつらいよ」などにも出ているベテラン俳優・笹野高史氏も出演しています。短い台詞の積み重ねと演技だけで、心情変化を見せる部分が見事。
ロック調の主題歌は山本薩夫監督の映画「アッシィたちの街」を思い出させます。
例えば、デビッドEケリーというシナリオライター兼プロデューサーは、自ら弁護士だった経験を生かし、「アリーマイラブ」というドラマで、様々な法廷ドラマを作り出しました。労働組合も、様々なケースがあり、幅が広く、また専門的なユニークさがありますから、それを生かしてシリーズのドラマにしたら面白いはずです。
(※写真はDVDパッケージ裏面より。出演:康 実紗、鄭 光誠 ほか。)
製作・販売は「全労連」
http://www.zenroren.gr.jp/