労働運動とは直接関係ありませんが、1983年頃、組合員(映産労虫プロ分会)・非組合員問わず、虫プロの女性スタッフが中心となってもりあげた「チビ猫ファンクラブ」の入会案内です。当時、外注のアニメーターなどが打ち合わせで虫プロを訪れると、打ちあわせ終了とともに女性スタッフが訪問者を取り囲み、熱く勧誘していたのを思い出します。
このファンクラブは、1984年公開の長編アニメーション映画「綿の国星」の制作と並行したもので、入会すると(確か)撮影済みのセル画を1枚もらえました。
映画の興行成績はいまひとつだったと記憶していますが、当時としては驚くほど丁寧に作られた作品で、特に動画・彩色が非常に細かく緻密でした。特に、色トレス(チビ猫の髪の毛のタッチ、くちびる、目のハイライトなど)や、ブラシワーク(チビ猫の頬のエアブラシなど)が多用されており、いかに愛情を注いで作業されたかが良くわかります。当時、過密スケジュールで乱雑な制作を強いられていたスタッフたちの「ていねいに仕上げたい」をいう思いが凝縮されたような作品でした。
ちなみに主題曲はリチャード・クレイダーマン氏、挿入歌は谷山浩子さんの「鳥は鳥に」でした。特に谷山さんの曲の使用は大島弓子ファンも納得、だったのではないでしょうか。ほかにも「鉄腕アトム」(1963年)「あしたのジョー」(1970年)などを作った虫プロのスタッフがしっかりと各パートをまとめていました。
また、この作品のテスト撮影フィルム(オープニングの湯気のところを何パターンも撮影したものや、メインタイトルのバリエーション、スーパーやダブラシ、フィルターなどのテスト撮影)は、映産労のアニメ撮影技術研修会の教材として上映されました。(管)
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