上映プロジェクト告知ページ http://www.ch-ginga.jp/special/yujiro.html
「映画は映画館で観るもの」という信念のもと、多くの自主制作組織や独立プロ(翼プロダクションや新日本映画社など。俳優座なども近年までは同じ方針でした。)は、自作のビデオ化やDVD化などを拒み続けてきました。
そんな流れもあり、「映画館でしか観られない映画」が、この情報化社会であっても多く存在することとなりました。
「黒部の太陽」「栄光への5000キロ」も、そのなかの一つでした。
しかし今回、3月の東京を皮切りに、全国でリバイバル上映が決定したとのです。
「黒部の太陽」(1968/製作:三船プロダクション、石原プロモーション/配給:日活)
「栄光への5000キロ」(1969/製作:石原プロモーション/配給=松竹映配)
「黒部の太陽」に関しては、当時、電力会社やその下請け・関連企業に大量のチケットを買ってもらい、巨大な興収をあげ、動員映画・前売券映画の先駆けとなった作品、という一面もあり、今回の上映会も電力会社のPRに利用されていないか、チェック・監視する必要もあります。
ただし2作品とも(公式ページでは情報化されていませんが)、劇団民藝をはじめ、熊井啓、蔵原惟繕監督、片桐直樹助監督、山田信夫脚本など、バリバリの社会派俳優・監督・スタッフらが集結しているのが異色。
今回はじっくり、これら映画人らの手腕と娯楽性を、純粋に堪能したいところです。
なお、熊井啓著「黒部の太陽 ミフネと裕次郎」(新潮社・2005年)に掲載された、数々のメイキング的裏話の方もあわせて読まれるのも良いかもしれません。