
有楽町線・桜田門駅構内(改札に続く地下通路)に貼ってあったポスターです。
「児童ポルノ僕別=正義」と称していますが、ここで指し示す「児童ポルノ」の「定義」については一切触れていません。
「児童ポルノ=セル画風に描かれた若い少女(幼くも見えるが断定しづらい絵)」を連想させる絵が、何の説明もなく、サブリミナル的に配置されています。(※ちなみに、数年前、青少年育成条例が問題化した時、「しずかちゃんの入浴シーン」は、東京都側で、OK(公認)が出た描写例です)。
ポスターでは、児童ポルノと犯罪の関連の経緯にも触れないまま、ただ単に、「製造・インターネット掲載・DVD販売」をしていそうな人の情報の密告を奨励しています。
連絡先の一つにあたるホームページのURLは、「警視庁・東京都」の名前で構成されています。
「児童をまきこんだ犯罪を撲滅」ならまだわかりますが、多くの国民が知らないうちに、作品や表現が取り締まりの範疇に入れられ、このポスターのように、アニメ的な絵がモンタージュされた言葉・画像によって、一方的な概念が知らず知らずのうちに意識の中に作り上げられてしまったとしたら。
自由であるはずの「表現」が、国家的規模の潜在的な恐怖によって「自主規制」する方向に向かっていくとしたら…。
社会に点在する潜在恐怖は、「萎縮」や「自粛社会」を生み出し、それが表現、ひいては生命活動にも影響を及ぼします。
権力を批判し監視するはずの表現・言論媒体が目に見えない不安に怯えるのは、健全な社会とはいえません。
曖昧なポスターによる刷り込みではなく、もっと徹底的な情報公開・可視化と、オープンで自由な議論、これら表現規制に関係する事例の歴史的経緯の記録と、多数市民による情報共有がまず先決ではないかと思います。(-編)
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