映産労ととてもつながりの深い「翼プロ」では、多くの質の高い、自主制作映画を作り続けいている。そして、「映画は劇場で観るもの」、という製作者の信念から、長い年月、ソフト化は一切行なわれなかった。(地上波テレビ放映は何本かあった)。
そんな翼プロ製作による映画「「翔べ!イカロスの翼」が、2012年10月に、長年の封印を破ってDVDが発売された。通常のDVDショップや大手ネット通販では購入できない。「ユーキャン」だけの発売で、限定生産商品である。
この作品の素晴らしさについては、いずれ機会があれば述べたい。
また、この映画制作時は、「翼プロ・映産労分会」が存在していた頃でもある。「翔べ!イカロスの翼」に関する、映産労内の資料や記録も存在したはずだが、今は、倉庫の奥にしまいこんでしまい、すぐには見つけることはできそうもない。(※1)
今回のDVD化までの詳しい経緯はわからないが(※2)、商品の手の込んだパッケージ箱、公開当時のプログラムの梱包、制作記者会見の映像、大手資本流通を通さない、独立映画運動的なDVDの普及の方針など、単なるソフト化の枠を超えて、映画の作り手・商品の送り手の側に、作品への愛情が感じられる。DVD販売だけでなく、上映運動も継続して行なわれているようだ。
翔べイカロスの翼 DVD 通販ページ「ユーキャン」
http://www.u-canshop.jp/ikaros/?sid=chk_g2
プロデューサーは、映産労が呼びかけて自主制作した短編アニメーション映画「つるのすごもり」の山口逸郎氏、監督は「若者たち・三部作」の森川時久。ほか、脚本:松山善三、撮影:中尾駿一郎、美術:村木忍、編集:黒岩義民など、邦画黄金期に活躍した超ベテランスタッフ揃い。
(関連)
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東京~広島 山口逸郎氏・平和行進日記とDVD フィルモグラフィ
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文京区で「つるのすごもり」上映?
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山口逸郎さんをはげます集い
追記:
レッドパージ、東宝争議などに端を発する戦後の独立プロ作品群が、現在、DVDで数回目の再販中。在庫切れとともに、またしばらく購入が難しくなると予想されるので、興味のある方はこの機会にぜひ。「独立プロ名画特選」で検索を。
映画「ひろしま」DVD(アマゾン)
さらに追記:(6/22)
※1…当時の資料のパネル展示なども企画されているようだ。※2…相当大変だったようだ。くわしくは、
@morita0915さんのツイッター(6/21のログあたり)や、所沢さだまさし研究会
http://happytown.orahoo.com/makoto.morita/などにぜひアクセスを。