日本共産党(以下共産党と略)中央委員会が発行している月刊誌「前衛(理論政治誌)9月号」(8月8日発売)では「ブラック労働の常態化―アニメーション制作業界」と題し、テレビアニメの制作環境の問題点が取り上げられている。もともと共産党は、国会でもテレビアニメ業界の問題点を取り上げ(昨年は塩川鉄也衆議院議員、今年は田村智子参議院議員が国会で質問をしている)、同党発行の機関紙「しんぶん赤旗」では、70年代から定期的にテレビアニメの制作現場の問題を取り上げてきた。今年7月も、赤旗はほぼ1ページを使って特集を組んでいる。
「前衛」では、4ページにわたり、エーワン・ピクチャーズ(株式会社A-1 Pictures)社員の過労自殺、テレビアニメの動画単価の問題、多重下請け構造と二次利用などの問題について触れている。
エーワン・ピクチャーズ社員の自殺問題については、社民党の吉田忠智党首もYoutube上でコメントを発表しているが、共産党の場合は、これが、たまたま起きた一時的な問題というより、時々の政治や政府との関連など、構造的な問題として複眼的に捉える姿勢がうかがえる。今回も、昨年6月、「クールジャパン推進機構」設立法案が成立し、500億もの巨額予算が投じられたことや、自殺者を出したエーワン・ピクチャーズが、文化庁若手アニメーター等人材育成事業の委託会社であったことなどに触れ、政治や企業がはたして労働環境向上のためにしっかり機能していたのか、というところに視点が向けられ、読者に問題提起させる構成になっている。しかもそれらが、前述の国会質疑における国側の答弁を踏まえた上での考察となっている。
韓国・東南アジアへの労働力流出、国内で動画を描く環境が失われていること、アニメ業界での労働組合組織化の困難の中、前進した例としての「スタジオ・イースター」社員提訴、さらに東映アニメーションが近年行なっている演出や絵コンテなどへの二次利用・収益還元などを業界全体に広めるべき、など、田村・塩川両議員の国会質問と同じように、その内容は幅広く、着眼点が多岐にわたっている。
この「前衛9月号」は、主に安倍政権の問題点の特集記事中心に構成されているが、ほかにも、不破哲三氏(今年で84歳。日本共産党付属社会科学研究所所長/元日本共産党委員長/元衆議院議員)による「連載 スターリン秘史――巨悪の成立と展開[第20章]ユーゴスラヴィア解放戦争(上)」などが掲載されている(※1)。

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日本共産党の公式告知ページ:
http://www.jcp.or.jp/web_book/cat458/cat/
(関連)
「アニメ現場つらすぎるよ」赤旗、再び大きく報じる 7/28
http://anirepo.exblog.jp/22410064/
アニメ制作会社A-1 Pictures 2014年度ブラック企業にノミネート
http://anirepo.exblog.jp/22418174/
共産、入党者が急増 2カ月半で若者ら5100人 8/13 京都新聞
http://www.kyoto-np.co.jp/top/article/20140813000149
(※1)本題とは関係ないが、不破氏は、「ノンタンといっしょ」などのアニメと実写を使ったフジテレビ系子ども向けのテレビ番組「ウゴウゴルーガ(1992-1994)」にゲスト出演していたことがある。