その4
東映動画(東映アニメーションの前身)、虫プロダクション、東京ムービー、TCJ(現エイケン)、竜の子プロダクションは、テレビアニメ誕生まもない頃に大手といわれた製作会社5社ですが、それぞれがスタッフのほとんどを、社員で抱えていました。安い製作費と受注競争で経営に行き詰まった経営者たちは、そのスタッフたちを会社の外に追いやることを考えました。その典型を、東映動画に見ることができます。
首切り合理化
1962年、東映動画は早くも作画部門に契約者制度を導入。
64年には社員制度で雇用しないことを宣言。
72年には、150名もの希望退職者を募集。抗議する動画労組にロックアウトで応え、42名もの首切りを強行。東映動画労組の方々18名が、首切り撤回を求めてたたかったのはこの頃でした。
下請合理化
ものづくりのスタッフたちを企業の囲いの外に追いやりつつ、新しい制作体制に組み込む方法は、下請合理化政策と呼ばれました。社内にいた美術、作画、仕上げ、撮影、音響などのスタッフを、巧妙に企業の外に追いやり、職種ごとのプロダクションを作らせ、あるいはフリーのスタッフとして大手製作会社の下に再編するやり方でした。(つづく)