アニメれぽーと6号が伝える白味線撮り
伊藤裕美さんの「日本のアニメ制作の窮状 その1」は、1975年の「アニメレポート No.6」で『鋼鉄ジーク』や『元祖天才バカボン』に白味線撮りがあったと報告していたと紹介していましたが、今日は、「アニメれぽーと6号」からその部分を紹介します。
1974年に、「アルプスの少女ハイジ」が大ヒット。その後、アニメの番組が急増してゆきます。そのことが、アニメ業界に深刻な人手不足を生み出し、アニメーターや色を塗るペインターたちに腱鞘炎や頸肩腕症候群などの職業病を多発させるその一方で、白味線撮りを増やしていきました。その危機的状況を改めるため、アニメれぽーと6号は「テレビ局はアニメの危機打開の緊急措置を!」という特集を組みました。そのなかで、白味線撮りについて次のように紹介しています。
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ところが、肝心の“線撮り”についての説明がまちがっています。
図内の文章は、“線撮り”を「動画用紙に描いた絵を、そのままコマ撮り撮影することで」と説明していますが、それはまちがいです。動画を撮影してアフレコに間に合わせる作業は、通常"動撮(どうさつ)”と呼ばれます。図の文章の後半に「白味のフィルムに“赤”“青”“黄”などの線が引かれていて、“赤”はAさん、“青”はBさんと決められ、色線をみてセリフを入れるのです」との下りがありますが、正しくはこの部分が“白味線撮り”です。セリフを入れるタイミングを、真っ白なフィルム(白味)にコンテ鉛筆やマジックで線を入れたものを“線撮り”といいました。それが“白味線撮り”の語源です。着色されない動画の線(ライン)のままで撮影されたのを見て、今でも“線撮り”という方がいます。当時、この記事を書いた方もそのように思い込んでいたのでしょう。
おことわり
ちなみに、昔の「アニメれぽーと」は、「レポート」ではなく「れぽーと」を使用していました。現在のネット版のロゴはその名残です。しかし、本欄のタイトルは「ネット版 アニメレポート」となっています。昔の「アニメれぽーと」を紹介するときは昔のように「れぽーと」で紹介したいと思います。
昔のアニメれぽーとを画像ファイルにし本ブログで紹介するには、たて横サイズを編集しないと載せ切れません。そこで、若干いじってありますが、文章などは元のままです。(A)